八ヶ岳山麓の自然の中で

(山荘の窓辺で綴る随筆です)


忍び寄る危機

春になると、近くに取り付けた巣箱で、巣作りし始めたヤマガラやシジュウカラを見ることができますが、巣作りが終わると、 時折雄と雌が抱卵を交代するために出入りするのを見かける以外は巣箱の出入りは見られなくなります。 そんなある日ヤマガラが巣篭もりしている巣箱を何気なく見ると巣箱から蛇のシッポが見えたのです。 大変だ!蛇に襲われた!心配しながら観察していると、十数分後、蛇が巣箱から顔を出し、周りを警戒するように見回してから、 木をゆっくり降り始めました。全長1メートル以上ある青大将です。

憎っくき奴、ヤマガラの仇、退治しなければ!と正義感(?)に燃えて家を飛び出し木の根元近くへ駆けつけて、下りてくる青大将を一撃! 翌日:青大将の一撃した場所を見に行ったところシッポの部分が30センチメートル位残っているだけで頭部や胴部が見えません。 はて? と思い、地元の人に聞いたところ「多分イタチが食べたんだろう。シッポはまずいから残すのが普通だよ。」と教えてくれました。

ともあれこれで当分大丈夫だろうと安心していました。数日後近くにある別の巣箱に今度はシジュウカラが巣作りをはじめました。 そしてその1週間後、その巣箱がまた青大将に襲われました。この巣箱は2連ハシゴをいっぱいに伸ばして取り付けましたから、 地上から8メートル位の高さに取り付けてあります。 まさかこんなに高い所まで蛇は上ってこないだろうと思っていましたが甘かったようです。

木の下で騒いでいる声が聞こえたのか蛇はしばらく巣箱にこもったまま出てきませんでした。  40〜50分後青大将が巣箱から少し顔を出しあたりの様子を伺ってからそろりそろりと巣箱から出て、下り始めましたが、 下にいる人間に気づくと動きをぴたりと止めてしまいました。そこで物陰に隠れて様子を見ていると数分後又下り始めました。 地上近くへ降りた頃を見計らって青大将に近づき、またもや一撃!

後日・・・・
2度も青大将に巣箱を襲われて何も対策を講じなければ青大将に馬鹿にされ、野鳥からも見放されてしまいそうです。 かといっていいアイデアが浮かびません。蛇返しも1メートル以上の青大将には効果が見込めそうにありません。 とりあえず木の根元近くにコールタールをべったりと塗っておくことにしました。どれだけの効果があるかは未知数ですが、 何もしないよりはましでは・・・・

 
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