八ヶ岳山麓の自然の中で

(山荘の窓辺で綴る随筆です)


隠 し 財 産

リスが餌台からクルミをくわえて持ち去った後1〜2分位で又餌台に戻ってくることがよくあります。リスはくるみの殻を割るのに5分位かかりますから、 少なくとも食べ終わってから来たのではない、ことは明らかです。早いときは十数秒で戻って来ることもあります。そして又クルミをくわえて持っていくのです。 こういう時はいつもの行動に比べて、急いでいるいるように見えます。

詳しく観察してみると、どうやらリスは近くの秘密の食物置き場に餌を運んでいるようなのです。 秘密の隠し場所はあちこちにあるらしく、 いろんな方向に走っていきます。 そこで周辺を捜索してみました。屋根の際にある雨樋の中にクルミがありました。 屋根の天窓の傍にもクルミが見つかりました。意外と建物を利用しています。 さらに調べてみると下の写真のようにベランダの隅も隠し場所になっていました。

貯食1 貯食2 貯食3
ここにも! ここにも!! こんなとこにも!!!

あまりに簡単な隠し場所なので、すぐにはリスが隠したのだとは気がつかず、クルミが転がってきたのだと思いました。まさかこんなところに隠すとは・・・

こんなに多くの隠し場所を作って、一つひとつの場所を忘れないのだろうか? と少々心配になってきます。でもご安心ください。 リスはちゃんと隠し場所を覚えていて取りに来ています。 そのため、これらの隠し財産はいつの間にか無くなってしまうのです。なかなかの記憶力です。 さらに それまでの隠し場所から他の隠し場所へクルミを移動するところを目撃しました。  同じところに置きっぱなしでは盗まれる恐れがあると思ったのかもしれません。 盗難防止対策もバッチリです。
感服しました!
人間もリスに習ってヘソクリの場所を時々変えたほうが安全かも・・・・

 
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