八ヶ岳山麓の自然の中で |
(山荘の窓辺で綴る随筆です) |
体 調 不 良 |
ヤマガラ、シジュウカラ、コガラなどのカラ類は餌台に頻繁に来ますが、滞在時間が短いという特徴があります。 餌台にとどまる時間は僅か数秒に過ぎません。それに比べるとイカルやシメやアトリなどはかなり長く、数十秒〜数分留まっています。 カラ類には餌台で もっとゆっくりしていって欲しいと思っていますが、なかなか気持ちが通じません。 とにかくあわただしいというか、めまぐるしいというか僅か1〜2秒で飛び去っていくことも珍しくありません。 シジュウカラ そんなに急いで 何処へ行く そんな句を詠みたくなるように、あわただしく来て、あわただしく去っていきます。 そんなある日ヤマガラが餌台の止まり木に止まってじっとしているのを見ました。10秒、20秒、30秒、1分、2分 ・・・・・・・ 止まり木に足を縮めるようにして、うずくまるような感じで止まっています。不思議です。めったにこんな光景は見られません。 この餌台は軒下に前後15センチ左右90センチの板をタコ糸で吊るしてあります。雨の日も安心してゆっくりエサを捕れるようにと思って 軒下に吊るしました。風がなければ餌台は雨にぬれることはありません。 その日はかなり雨が降っていました。カラ類は通常雨を気にせず餌台によくやってきますが、このヤマガラは体調が悪いのか、 雨に打たれるのが辛かったのでしょう。 雨宿りを兼ねて軒下で一休みしよう、と思って来たのかも知れません。 止まり木に静かに止まっているときも野生の本能でしょうか、時々首を回し周囲を見て、危険が迫ってないことを確認しています。 安全を確認すると足を腹の中に折りたたむように縮め、首をすくめるように小さく縮こまったスタイルで森の方をじっと見ています。 そして数分の時が過ぎて行きました。 しばらくすると、別のヤマガラが餌台にやってきました。休息していたヤマガラより先輩格のヤマガラだったらしく、
休息していたヤマガラはあわてたように席を譲り、飛び去っていきました。可愛そうに、先輩に追い出されちゃって・・・
と思いながら体調不良(?)のヤマガラをしばらく見送っていました。
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